日本海洋学会 会員の皆様

 日本海洋学会 会長の日比谷です。

 先週 5月25日をもって日本地球惑星科学連合 (Japan Geoscience Union:JpGU)と米国地球物理学連合 (American Geophysical Union:AGU) との合同大会が無事終了しました。日本海洋学会にとっては、毎年3月に開催していた海洋学会・春季大会を合流させて行った初めての大会でしたが、海洋学会共催のセッション数は、合計26件、要旨投稿数は515件となり、これまでの春季大会の要旨投稿数400件前後と比べると、投稿数は約 1.3倍と大きく増加しました。これを反映して、海洋学会関連セッションの会場はいずれも大変な盛況で、活発な議論が交わされていました。

 JpGU-AGU合同大会の会期中、5月22日に開催された日本海洋学会2017年度総会では、かねてより私から提案しておりました「2018年度以降も春季大会をJpGUに合流させて開催する方針」を改めて提案し、満場一致でご賛同頂きました。同時に総会では、春季大会をJpGUに合流させて開催した場合のプログラム編成に関するご意見、例えば、同じようなテーマのセッションが同時進行している問題のご指摘、同じようなテーマを融合することで新しい研究課題の創成に繋げられるのではないかという建設的なご指摘、さらに、海洋学会独自の開催として位置づけられる秋季大会をより充実させていくことが不可欠であるという貴重なご意見を頂きました。これらに関しては、今回、春季大会をJpGUへ合流させて開催した経験を踏まえ、海洋学会幹事会でもさらに議論・検討を進め、会員の皆様が満足して頂ける大会に近づけられるよう努めていく所存です。特に、秋季大会のあり方に関しては、開催地の特色を出した企画を設けるなど、各実行委員会と共同して、より一層充実した大会になるよう尽力していければと思います。
 なお、秋季大会については、今年度の仙台での大会に続き、2018年度は東京海洋大学会員の担当で、2019年度は富山地区会員の担当でSCORのAnnual Meetingと併せての開催を予定しております。

 今後、2020年度に予定されている次期の大型研究計画マスタープラン改訂や学術会議から求められている軍事研究との関わりに関するガイドラインの設定など、非常に難しい課題が山積している上に、科研費の平成29年度公募予定分より、審査区分から「海洋」の文字が消えることになるなど、海洋科学を取り巻く状況は大変厳しくなると予想されます。学会としての様々な取り組みを進めつつ、JpGUとの関わりを通じて地球惑星科学のメインストリームの動向を把握し、その中で海洋科学のプレゼンスをより一層高めていくことが必要不可欠と考えています。皆様のご意見をお聞きしながら、日本海洋学会の更なる充実に努めてまいります。

 以上、簡単ではありますが、先週に開催された日本海洋学会総会における「2018年度以降の 日本海洋学会 春季大会に関する審議結果」についてご報告させて頂きました。

 今後とも会員の皆様のご協力、何卒よろしくお願い致します。

日比谷 紀之
日本海洋学会 会長

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