日本海洋学会は海洋学の進歩普及を図ることを目的として1941年に設立されました.

本会はその目的を達するため, 研究会・講演会の開催, 学術的刊行物の発行, 研究業績の表彰や研究の奨励などの事業活動を行っています.

学会パンフレット

会長挨拶

2019~2020年度に引き続き、2021~2022年度の会長を務めることになりました。再任にあたって、一言ご挨拶申し上げます。

この1年以上にわたり、思いもよらなかった新型コロナウイルス感染症の影響で会員の皆様の研究活動にも大きな影響が及んでいることと思います。先の見通しをつけにくい状況が続いておりますが、学会執行部としても学会の確実な運営と海洋学の発展のため努力してまいります。会員の皆様にも是非お力添えいただきたくお願い申し上げます。

学会活動の方は、感染症の影響が続くなか、春季大会(JpGU)は2年連続オンライン開催となり、学会の通常総会についても、2年連続でウェブ上での書面開催とさせていただきました。昨年度の秋季大会は、幹事会で実行委員会を組織してオンライン開催いたしました。また3月の海洋生物シンポジウムもオンラインで開催いただきました。今年度の秋季大会は、東京大学大気海洋研究所所属の会員のお世話で80周年記念大会として開催予定ですが、これも完全にオンライン開催となります。

2019年4月の会長就任にあたって、3点の課題を挙げさせていただきました。その1つ、今後の海洋研究の方向性についての議論ですが、将来構想委員会の下に設置した「研究に関する将来構想ワーキンググループ」により、「極域」、「中緯度」、「熱帯域」、「沿岸域」、「深層」、「大気海洋境界」の6つの海域別グループと「新たな手法と問題」グループの計7グループによる検討をいただき、議論の結果が7つの総説論文として「海の研究」に掲載される予定になっております。様々な制約があるなかで、とりまとめいただいた岡英太郎前幹事をはじめワーキンググループの皆様のご尽力に感謝申し上げます。もう1つ、安定した運営を継続できる学会のあり方については、長年の懸案である学会法人化について幹事会で検討を続けております。出来るだけ早い機会に、何らかの提案が出来るようにしたいと考えております。最大の課題である、海洋分野での若手研究者確保については、即効性のある方策が難しい点は理解しておりますが、学会幹事会や教育問題研究会などの取り組みの継続と共に、新しいアイディアを試していくことと、各機関での現状認識や抽出された問題点を学会でも共有してくことが大切と考えます。会員の皆様にも是非ご協力、ご参画をいただければ有り難く存じます。

今年はいよいよ「国連海洋科学の10年」がはじまり、また日本海洋学会は創立80周年を迎えました。新型コロナウイルス感染症に対応していくなかで、情報通信技術の急速な展開に対して、どちらかと言えば保守的だった日本社会のあり方も変革が迫られており、学会のあり方も再検討せざるを得ない状況です。しかし同時にこれは、状況を良い方向に転換する契機にもなり得るものだろうと思います。会員の皆様におかれましても、くれぐれも健康にご留意いただきながら、この困難な時期を乗り切っていかれ、さらに新しい時代に向けた研究活動の展開に踏み出していただければと思います。皆様の研究活動への制約が早期に除かれることを祈っております。

 

令和3年4月

日本海洋学会会長 神田 穣太