日本海洋学会は海洋学の進歩普及を図ることを目的として1941年に設立されました.

本会はその目的を達するため, 研究会・講演会の開催, 学術的刊行物の発行, 研究業績の表彰や研究の奨励などの事業活動を行っています.

学会パンフレット

会長挨拶

2023~2024年度の会長を務めることになりました。身に余る重責ですが,日本海洋学会の発展のために全力を尽くしたいと考えております。会員の皆様のご支援をお願いいたします。

約3年に及んだ新型コロナウイルス感染症による制限が徐々に緩和されつつあります。まだ油断はできない状況ではありますが,対面での会議や研究会なども開催できるようになり,我々の研究活動において,直接の対話による議論がいかに重要なものであるかをあらためて感じています。オンライン開催が続いていた春季大会(JpGU)・秋季大会も,昨年の名古屋での秋季大会では対面を含むハイブリッドで開催することができました。今年の京都での秋季大会では,懇親会を含む完全対面開催を計画しています。対面での議論の有効性と感染症を機に拡がったオンライン会議の利便性をいかにブレンドして,ポストコロナの新しい学会活動の形を作り上げていくか,が今後の課題となると思います。会員の皆様のご意見を伺いながら,よりよい形を目指していきたいと考えています。

現在,本学会の会員数は減少を続けており,近い将来,財政的にも厳しい状況に陥るとの試算もあります。特に,海洋学研究の将来を担う若手研究者の確保についてはこれまでも大きな課題とされてきました。即効性のある対策がそう簡単には見つからないことは承知していますが,幹事会や諸委員会・研究会などで新しいアイディアを検討し,試していきたいと考えています。原点に立ち戻って,学会活動の楽しさ,面白さをどうやって学生・若手研究者の皆さんに知っていただくか,という点が最も重要であると感じています。同じ研究を行っている世代を超えた仲間と交流し,議論・情報交換ができることが学会の醍醐味だと思います。現会員の皆様には,大会・研究会等のイベントへの積極的なご参加,JO,海の研究,JOSNLなどの学会出版物へのご投稿,学生・若手研究者の皆さんへの入会の勧誘などをぜひお願いします。

学会運営の実務面での直近の課題は,これまで任意団体であった日本海洋学会の一般社団法人への移行(法人化)です。神田前会長・伊藤前副会長のご尽力で準備が進められ,昨年秋の評議員会で法人化の骨子が了承されました。また,それに基づいて会員の皆様へのアンケートが実施されました。法人化に対して反対のご意見はいただいていない,とのことです。現在,定款案・細則案等の準備を進めています。本学会の80年にわたる歴史の中で培ってきた現在の運営方法を大きく変えることになり,移行時には,会員の皆様にご不便をおかけする可能性もあると考えています。しかしながら,学会のさらなる発展のためには避けて通れない道であり,会員の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

 

2023年4月

日本海洋学会会長 江淵 直人