公開シンポジウム「我が国の衛星地球観測に関する統合的戦略立案」
日時:令和 5 年 9 月 12 日(火) 13:00~18:00
会場:日本学術会議講堂(東京都港区六本木7-22-34)
参加申込:参加無料/オンライン申込
     https://forms.gle/QquXEuY8dkKJzLXt5
主催:日本学術会議地球惑星科学委員会地球・惑星圏分科会
共催:今後の宇宙開発体制のあり方に関するタスクフォース会合リモートセンシング分科会、
   衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)
後援:日本海洋学会他

開催趣旨:
 地球温暖化に伴う気候危機の顕在化、生物資源の急激な減少、さらに新型感染症の拡大や国際紛争の長期化の影響と、地球環境問題は非常に複雑化している。これに立ち向かうため、人類は科学的エビデンスに基づく対応策をとらなければならない。気候システムの理解とモニタリングの基礎となる55の必須気候変数の80%について、地球観測衛星による観測が実証されている。地球観測衛星は気候変動対策、生物多様性モニタリング、道路や橋梁など社会インフラのモニタリング等のための宇宙からの眼として、現代社会にとって必須のインフラとなっている。
 一方、地球衛星観測によって収集される大量データは、現代デジタル社会において、科学的価値のみならず経済的にも価値の高い資産である。複雑化した地球環境問題に対する国際協力に我が国も貢献すると同時に、急速に進展するデジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)のニーズを背景に、大量の観測情報を提供する地球衛星観測の多角的活用推進の重要な局面を迎えている。
 現在の日本の地球観測政策において、学術的にも社会インフラとしても地球衛星観測の重要性は認識されているが、長期的展望に基づき、複雑化した地球環境問題に立ち向かう国の戦略に衛星観測を位置づける「衛星観測のプログラム化」と人材育成の実施は不十分である。国際貢献、学問の進展、社会活用、産業活用の様々な視点から、オープンサイエンス推進、アーカイブ・利活用システム構築、人材育成を含む統合的戦略が必要である。
 そこで、第25期地球惑星科学委員会地球・惑星圏分科会では「地球観測衛星将来構想小委員会」を設置し、産学官が連携した地球衛星観測の統合的戦略立案と人材育成の必要性について議論し、見解(案)「我が国の地球衛星観測に関する統合的戦略立案について」をとりまとめた。本シンポジウムにおいては、小委員会による見解(案)とりまとめの議論を紹介するとともに、内閣府宇宙政策委員会による将来展望、関係省庁、産業界や学協会などからの意見とニーズを確認し、我が国の衛星地球観測の統合的戦略をいかに立案し実現していくかについて多角的に議論することを目的とする。

シンポジウムポスター