海洋地球研究船「みらい」(海洋研究開発機構)の主要航海MR11-05(平成23年6月27日~8月4日)における調査の様子を紹介します。
今回は茨城県沖に新たに設けた観測点F1で採水、採泥、動物プランクトン採取、生物地球化学研究用係留系の設置等を、また、福島県・茨城県沖のD1~D4地点で採水、採泥を行います。
F1地点における採水の様子です。採取した海水はロンテナーと呼ばれる容器に入れられ、放射性物質の分析を行うことができる大学・研究機関に送られます。
F1地点における動物プランクトン採取の様子です。航走しながら多段開閉式大型プランクトンネット(IONESS)を曳いて動物プランクトンを採取します。
F1地点における現場ろ過の様子です。写真の現場ろ過器を海中に数時間吊り下げます。この間ポンプを回し続けて数百リットルの海水をろ過し、海中の懸濁粒子を集めたり(写真右の上)、海水中に溶けている物質をフィルターに吸着させます(写真右の下)。上側の機械は海洋研究開発機構が、下側の機械はアメリカの研究機関が所有するものです。日米共同の観測です。
航海の前半(レグ1)ではK2と呼ばれる観測定点でも採水等様々な観測を行いました。福島第一原発から約1900km離れたこの地点で採取した海水についても放射性物質の分析を行います。夏季のこの海域は濃い霧や下層雲に覆われることが多く、7月上旬でも気温は8度前後でした。